
【玄米は体に悪い?】フィチン酸・アブシジン酸の誤解と正しい玄米の選び方
「玄米は体に良い」と聞くこともあれば、「玄米は体に悪いらしい」と不安になる声もあり、初めて取り入れる人にとっては戸惑うことも多いかもしれません。
とくに、玄米に含まれる**「フィチン酸」や「アブシジン酸」**という成分については、「毒になる」「ミネラルを奪う」「免疫を下げる」といった情報も見かけますよね。
この記事では、それらの情報がどこまで正しいのか、科学的な視点から整理しながら、玄米を安心して取り入れるためのポイントを解説していきます。
玄米に対する2つのよくある疑問
インターネットやSNSでは、玄米について以下のような意見がよく見られます。
「フィチン酸がミネラルの吸収を妨げるから危険」
「アブシジン酸が免疫を下げたり、がんの原因になるらしい」
実際に、これらの情報は誤解や一部の情報だけを切り取ったものが多く、玄米に対する不安を大きくしてしまっているのです。

それぞれの成分について、詳しく見てみましょう。
フィチン酸とは?栄養を阻害する?デトックスする?
● フィチン酸の正体
フィチン酸は、玄米などの種子や穀物に自然に含まれる成分で、鉄・亜鉛・マグネシウムなどのミネラルと結合して「フィチン」という形で存在しています。
このフィチン酸には、
ミネラルの吸収を妨げる可能性がある
一方で、有害物質や重金属と結合して排出を助ける作用(キレート作用)もある
抗酸化物質としての働きもある
といった、良い面・悪い面の両方があることがわかっています。ウムの吸収を妨げる可能性があるため」と言われているからです。

● なぜ「危険」と言われるのか?

フィチン酸が悪者とされるきっかけになったのは、1960年代に中東地域で発酵させていないパン(ピタ)を主食とする子どもたちに、亜鉛不足による貧血や発育不良が見られたことです。
このケースでは、極端に偏った食生活が原因で、現代の日本のように多様な食品を摂る環境下では、同じリスクは非常に少ないとされています。
● 対策は「発芽」「加熱」だけでOK
フィチン酸は、加熱や発芽によってその作用が弱まることが知られており、通常の炊飯をしていれば、ミネラル吸収への悪影響はほぼ心配いりません。
アブシジン酸とは?危険性の根拠は?
● アブシジン酸とは?
アブシジン酸は植物ホルモンの一種で、種子の発芽抑制や休眠維持に関わる自然由来の成分です。
SNSなどでは「免疫を下げる」「活性酸素を増やす」といった不安を煽るような情報もありますが…
● 科学的な根拠はほぼなし
実際には、これらの健康リスクについて信頼できるエビデンス(科学的根拠)は確認されていません。そのため、「アブシジン酸=健康被害をもたらす」という説は、現段階ではあくまで憶測の域を出ていないと考えられています。

● 加熱で不活化されるため、心配無用
さらに、アブシジン酸もフィチン酸と同じく、炊飯レベルの加熱で活性が失われることがわかっており、ふつうに玄米を炊いて食べている場合、人体への影響はないとされています。
玄米を安心して取り入れるためのポイント
玄米に不安があるという方も、以下のような基本的な点を押さえておけば、健康的な主食として安全に取り入れることができます。
ポイントまとめ
玄米は加熱調理や発芽処理をすれば、フィチン酸・アブシジン酸の問題はほぼ解消
偏った食事を避け、栄養バランスを整えることでミネラル不足の心配も不要
正しい情報に基づいて、過度な不安を持たずに食生活に取り入れることが大切
正しい知識で、玄米をもっと美味しく・安全に
ネット上には、断片的で誤解を招くような情報があふれています。しかし、科学的根拠をもとに適切に判断すれば、玄米はとても栄養価が高く、健康的な食品だということがわかります。
まず正しい知識を学んでみるのがおすすめです。
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