塩分との付き合い方とは?
生活習慣病と言われ、現代病の一つとして数えられる「高血圧」。
自身がそのように診断された方や、家族や知人・友人で高血圧に悩まれている方、健康意識を持つ方には、高血圧のリスクを低めるとして「塩分控えめ」の生活を実践されている方も少なくないと思います。
どちらかと言えば、現代では「塩分」が健康を害するイメージの方が高いかもしれません。
ですが、塩分は私たちにとってはなくてはならないものです。
ここでは具体的に塩分が私たちの身体にとってどのような作用があるのかを簡単に紐解いてみます。塩分には大きく分けて3つの役割があります。
1. 体温保持の働き
最近、低体温の方が多くいらっしゃるのをご存知でしょうか?ご自分の平熱は認識されているでしょうか。
そもそも、私たち人間の体温は、1度低くなると免疫力が3割から4割下がるとも言われています。
体温測定の時間帯や、食前食後でも変化しますが、病気になりにくくするためにも、朝起き抜けの体温で36.5度ほどは欲しいところです。
塩分には心臓を収縮し体温を保持し温める働きがあります。不足すると血流が低下し冷えにつながる可能性があります。
2. 細胞の新陳代謝UPと消化を助ける
食事などで摂取した塩分は、体内に入ると分解されナトリウムイオンが作りだされます。
ナトリウムイオンは、細胞の内液と外液に存在し、一定のバランスを保つ役割があります。このバランスを保ちつつ、不要な老廃物などを体外に出す、いわゆる新陳代謝が行われています。
血液中の水分もこれらの働きによって維持されており、このバランスが崩れると、健全な血液の状態を保つことができなくなり新陳代謝が鈍くなる恐れがあります。
また塩分は消化を活発にする働きもあり、不足してしまうと消化不良や胃もたれの原因にもなります。
3. 内臓や関節を伸ばす、縮める働き
脳は、身体に様々な指令を出しています。例えば、腕を曲げる、膝を曲げる、といった行動をする時には、これらの指令を先々の神経などに伝えるための電気信号が脳から発せられています。この電気信号を伝えるための誘導体となっているのが塩分です。つまり塩がなくては、脳の指示を正しく身体に伝えることが出来なくなってしまいます。
1.でも述べたように、心臓の収縮活動を支え血液を全身に回すための役割を果たしているのも塩分です。
余談ですが、甘いスイーツには欠かせない「お砂糖」。これには、電気を通す力はありません。減塩をしてお砂糖を含んだ甘いもの多食していると、脳からの信号が正しく身体に伝わらなくなる為、日常動作に支障をきたしたり、物忘れなどが多くなる、心臓の働きを弱める原因にもつながります。
ここまで塩の効能をお伝えしてきましたが、実は、塩であればなんでもこの効能が得られるわけではありません。
スーパーなどで安価で手に入るものは、生産効率を上げるため、塩化ナトリウム99%以上の化学塩や添加物が使われているのがほとんどです。
「塩化ナトリウム」は体内に入っても吸収されにくい成分です。
「塩分が高血圧に繋がる恐れがある」といわれるのは、この塩化ナトリウムを過剰に摂取した時に身体に負担がかかるため、と考えられています。
そのような塩ではなく、昔ながらの製法で作った塩で、出来れば3年以上熟成された「味噌」「醤油」「梅干し」から摂取する塩分は、塩熟れが進み、その吸収において体に負担がかかりにくくなります。
日本の伝統的な食文化でもある「味噌」「醤油」「梅干し」など、自然塩を使った保存食が理想的な調味料としてお勧めなのです。
いかがでしょうか?
今一度、普段ご自身が使用している、調味料などを見直してみてはどうでしょう。
塩分を正しい方法で摂取すると、低体温や高血圧といった症状が改善されていきます。
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